「当事者の声」が、よい作業所作りの原動力♪

6月29日 利用者支援部会・本人部会勉強会 を開催して

 

作業所の始まりは当事者の声からだったそうです。
「Nothing About Us Without Us」(私たち抜きに私たちのことを決めないで)
は、国連の障害者権利条約のスローガンとして有名ですが、障害 をもつメンバーの「働く・生きる」をテーマにした作業所という現場でも、「当事者が声を出す」、「当事者の声を聴く」はなかなか出来ていないのが現状です。 

静岡県作業所連合会・わ では、平成22年度から本人部会を立ち上げ、研修会の開催など当事者を主体とした活動を試行してきましたが、今年は地域に根ざした本人活動・組織の形成を目指し、まず「当事者の声を聴く」とは何かということで、
 ・藤枝市障害者生活支援センター おのころ島 理事長 井出一史さん、
 ・静岡県手をつなぐ育成会 本人部会ファシリテーター部会長 芝安治さん
をお招きし、お話を伺いました。
当初の予定より参加者が多く、会場を移しての開催となりました。

井出さんのお話はNHKのドキュメント映像から始まりました。
1960年代~70年代の障害者の生活は家族によって何とか支えられ、社会の支援は届かなかった時代、障害者自らが立ち上がり、社会に訴え、自分たちの生活を自分たちの力で獲得していこうとする運動が紹介されました。

そして欧米で広がった自立生活運動の理念である、「当事者の自己決定に基づき、選択権の拡充と生活の質の向上を求めながら、主体的な生活を営むこと」をめざす活動の重要性が語られました。

つづいて、芝さんからは作業所に通う本人の歌がテープで紹介され、それが40年前のもので、給料の面など今とあまり変わっていないということが語られました 。

また、本人部会を4年の準備期間を経て、本人の想い を大切にしながら丁寧に作ってきた経過を説明して下さいました。

当事者の皆さんにとっては少し難しい面もあったかもしれませんが、私たちが利用者支援部会・本人部会を運営していく上で決して忘れてはならないことが、しっかり胸の奥に落ちたと思い ます。

当事者の想いや視点を大切に、当事者自身が受身から主体者として「共に働く職場作り」をしていくために、利用者支援部会・本人部会の果たすべき役割りは大きいと再認識した勉強会でした。

 

利用者支援部会 委員
ゆうゆう舎 山崎 令子